アウトドアスポーツクラブについて思う

不圖渠は、總有生徒の目が、諄々と何やら話を續けてゐる校長を見てゐるのでなく、渠自身に注がれてゐるのに氣が附いた。例の事ながら、何となき滿足が渠の情を唆かした。そして、幽かに脣を歪めて微笑んだ。其處にも此處にも、幽かに微笑んだ生徒の顏が見えた。
 校長の話の濟んで了ふまでも、渠は其處から動かなかつた。
 それから生徒は、痩せた體の何處から出るかと許り高い渠の號令で、各々その新しい教室に導かれた。
 四人の職員が再び職員室に顏を合せたのは、もう十一時に間のない頃であつた。學年の初めは諸帳簿の綴變へやら、前年度の調べ物の殘りやらで、雜務が仲々多い。四人はこれといふ話もなく、十二時が打つまでも孜々とそれを行つてゐた。
『安藤先生。』と孝子は呼んだ。
『ハ。』
『今日の新入生は合計で四十八名でございます。